短編SS
一般作品
カラオケ 大文字版
カラオケ
「さて、カラオケにきたわけだが」
『コッコッコッ。あ〜あ〜あ〜』
「もしもしクーさん、何やってるんでしょうか?」
『カラオケというのは初めてなのでちょっと興味が、ね』
「あー、マイクごしに話さなくていいから」
「それもそうか。しかし、こんな厚いカタログから曲を探すのは大変だな」
「そんな1ページ目から順番に探さなくていいから」
「それもそうか」
「って、何もかも諦めたような目でカタログ滑らせてこないで!」
「そうは言っても何を歌えばいいのかわからない」
「知ってる曲とか、歌いたい曲を選べばいいんだよ」
「ふむ。ならば、あらん限りの気持ちを込めてこの曲を」
「うっわ、意外だね。こんな激甘のラブソング選ぶなんて」
「それほどでもない。ところで、この採点機能というのは?」
「あー、どれくらい上手いか評価してくれるんだよ。場も盛り上がるしやってみようか」
『〜〜♪』
「カラオケ来るの初めてとは思えないくらいに上手いよ!」
「褒めてもらえるのは嬉しいが、そんなにおだてられると少し恥ずかしいな」
「いやマジ上手いって! これなら点数もかなり期待、って採点始まったよ」
「……うむ」
タタタッタ〜♪ 53点
「……くっ」
「って、涙目で機械にらんでも点数変わらないから」
「私の君に対する想いはそんな評価しか受けないというのか……」
「って、どこ行くの!? クーさん、クーさ──ん!」
「さて、先日の雪辱を晴らすとのことですが……」
「うむ……」
「おいおい、カラオケ行くなら俺も誘えよなー」
「って、どこから湧いた」
「ロビーで見かけたからこっそりとな!」
「こっそりとな、じゃねぇ」
「一人増えても私がすることに変わりはない」
「それはそうだろうけど……」
「さすがクーちゃん話せるな!」
「むしろ、君の友人にも私の君に対する想いの深さというものを
理解してもらういい機会かもしれない」
「うっわ、甘っ! ちくしょうやってられないぜ!」
「ってお前もいきなり何曲も入れるな」
「私もその間に準備するから君も歌っていて欲しい」
「うん。まあ、そう言うなら構わないけど……」
『wヘ√レvv〜─ !!』
「うっわ、ヒド! ガナリたててるだけで歌じゃないだろ。
クーさんは黙々とカタログに見入ってるし……」
「ぐっはー! どうよ俺の歌唱力は」
「どうよと言われてもなあ」
「採点始まった始まった。さあ来い!」
タタタッタ〜♪ 96点
「キャッホ──っ!」
「嘘だろ……」
「……くっ」
「って、どこ行くの!? クーさん、クーさ──ん!」
ほのぼの板素直クールスレに投下した際、支援イラストを頂きました。
支援イラストを貰うのは久し振りでとても嬉しかったです(しみじみ
また、その絵師さんは素直クールスレで古くから活躍していた方で、
懐かしいやら嬉しいやら「絵師さんも元気でやってるんだな」と。
しみじみ
ただ問題は、連絡する手段がないので無断でサイトに掲載するわけにもいかず、
イラストのあるアップローダー先にも迷惑かけられないので……
ちょっとジレンマ。
本当にありがとうございました。
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