クー「ほう、色で区別すると誰の発言なのか簡単に理解できるな」
男 「色指定されない可哀想なヤツもいるんだな〜」
友A「それは俺のことか!?」
友 「男め! 一人だけ色指定されてるからっていい気になるなよっ!」
クー「……ところで、男。 なぜ君だけ友Aたちのように黒系の文字ではないんだ?」
男 「そりゃ、俺は特別な存在だからな。 他のどうでもいいヤツらとは格が違う」
友A「うゎ、言い切ったよ、コイツ……」
友 「男め! 一人だけ色指定されてるからっていい気になるなよっ!」
クー「ふむ。 確かに男は格付けが違うな」
男 「やっぱりクーもそう思うだろ? 二人は未来の恋人同士、理解しあって──」
クー「いや、それはない。 単に男は私の嫌いなタイプということだ」
友A「な、なんだって────っ!」
男 「そ、そんな、嘘だろ。 やっと特別な立場になれたと思ったのに……」
友 「男め! 一人だけ色指定されてるからっていい気になるなよっ!」
友A「でもほら、男にもいいところあるしさ。
これから怒涛の急展開で格好よく──」
クー「友Aは相変わらず優しい男だな。 私はそんな君が好きだぞ」
男 「えぇぇ──っ! 俺は当て馬かよ〜〜〜〜!」
友A「まずいっ、男がゲシュタルト崩壊を起こしてる! 」
友 「男め! 一人だけ色指定されてるからっていい気になるなよっ!」
クー「それは大変だ。 その他大勢の友。 男を保健室に連れていってくれないか」
男 「ま、待ってくれ…… クー、俺は…………」
友 「男め! 一人だけ色指定されてるからっていい気になるなよっ!」
友A「友…… あの台詞以外しゃべれないのか……?」
クー「図らずも二人きりになれたな、友A」
友A「え? あ、あの…… なんで近づいてきてるんでしょうか?」
クー「性格が悪いとはいえ、友人。 そんな男であっても心配する君に惚れ直した」
友A「いや、二人きりだからって抱き付かれるのはちょっと……」
クー「こういうのは嫌いか? 私は今とても気分が良くなっている」
友A「いえ。 嬉しいんですけど、今は二人きりといっても学校の教室だし」
クー「私はどこでも構わない。 むしろ悪い虫が付かないように見せ付けるのもいいな」
友A「それにほら、俺の文字色ってその他大勢の黒系だから」
クー「他人の目にどう映ろうと、私には君だけが輝いて見える」
友A「そんな強く抱き締められたら──」
クー「あぁ、こうしているだけで理性のタガが外れそうだ」
友A「クーさん! 文字色変わってる! しかも文字が大きいよっ!」
クー「この膨れ上がるような気持ちを理解してくれ、友A」
友A「……俺はいつもの冷静なクーさんの方が好きだな」
クー「それは相思相愛ということか?」
友A「そ、そうだけど」
クー「友A。 いや、巴くん。 私と付き合ってもらえないだろうか」
友A改め 巴「こちらこそ…… って、え! 俺に名前が付いた!?」
クー「主役に名前がないのはおかしいだろう」
巴 「文字色は元に戻ったけど、何か前より文字大きくない?」
クー「想いの大きさは誰にも負けないからな」