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 部活後の勝負の時間になった。
 俺たちの他にいつものギャラリー兼審判が数人残っていてくれる。審判はいつもの部長だ。
「昼にも言ったとおり、手を抜かないで貰おう」
「勝負事で手を抜くようだったら、今までの勝ち分をそのままクーに返しなさいよ」
 ギャラリーが好き勝手な事を言ってくるが、確かに手を抜くのはクーに失礼だ。
 クーとともにスタートラインに並び、気合を入れ直す。
 今回も勝つのは俺だ。

 100m走り切り、膝に手をついて息を整えているクーに話しかける。
「今回の勝者特権は『クーの望みを叶えたい』に決めた。敗者は素直に命令に従えよ」
 クーは驚いたような表情を浮かべ、こちらを見上げてくる。
「いいのか? そんなので」
 軽く頷いた俺の肩に手をかけて姿勢を直すと、その勢いのまま抱きついてキスしてくる。
 軽くパニックに陥る俺と、どよめくギャラリー。
「い、いきなり何する!」
「今から次の勝負までの間、私の望みを叶えて貰うだけだ」
 そう言うとクーは更に抱き付いてくる。

「あー、仲いいのはわかったから、人前でいちゃつくの禁止ね」
「いや、別に俺たちは仲いいとか、いちゃつくとかないですから!」
「あれ? だって付き合ってるんでしょ。私たちの学年にまで噂流れてるくらいだし」
 部長の発言に俺は硬直する。
「残念ながらまだです。ですが、着実に外堀から埋めていますのでもう少しかと思います」
「二人は真面目に練習してるし、タイムも順調に伸びてるから問題行動を起こさない限り
とやかく言わないけどねー」
「外堀とか問題行動とか一体どういう事だ──!」
「一緒のお弁当を食べる事で着実に恋人同士として認識されているはず。すべて計画通りに」
「明日はクーの誕生日なんでしょ? 部活休んでデートしていいよ。真面目にやってるご褒美」
「あの、別に俺たちまだ付き合ってるとかじゃなくて……」
「明日は記念すべき恋人としての始まりだ。記念ついでに学校休んでデートしないか?」



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NEWVEL 小説ランキングの7月期ランキングで9位に入れました。
これからもこれを糧に頑張りますので、応援宜しくお願い致します。

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© ◆ForcepOuXA


2006-07-03作成 2006-08-24更新
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