夏海「ねぇ公人。まだ抵抗する? 私としては素直に私に従って欲しいんだけどな〜」
耳元で甘く囁く津川。ついでに耳を軽く甘噛みしてゆく。
公人「分かったから関節極めるのはやめてくれ……」
腕を開放してグラスの準備を始める。
空「公人さん。私、あんなに素敵な経験初めてです……」
胸に顔を埋めうっとり囁く陸海さん。確かに気持ちよかったけど何か間違ってる。
空「あ、ごめんなさい。少しワインをこぼしてしまったみたいです」
公人「あぁ、別にいいよ」
夏海「そうね、またこぼす事になるんだし気にしなくていいわよ」
いや、少しは気にしろ。
グラスを手ににっこり微笑む津川。ちょっとS入ってますね?
公人「あの〜、初めてじゃないけど優しく程々にお願いします」
夏海「大丈夫、私の方は初めてだから遠慮できないの」
全然大丈夫じゃない。と言う間もなくグラスを傾け覆い被さってくる。
唇が触れ合ってる部分からワインが零れるのも気にせず大胆に舌を使ってくる。
空「夏海、見かけ通り大胆ですね。私も見習わないと」
頼む、そんな悲しい事言わないでくれ。
満足したらしく唇を離す津川。
公人「少しは遠慮しろ」
夏海「ごめんね〜。私、さっきので酔っ払っちゃって制限利かないみたい」
絶対Sだ、コイツ……
夏海「この量だと後三回くらいで飲み終わるわね〜」
グラスの中のワインを回しながら嬉しそうに笑っていた。
空「本当にごめんなさい。服が濡れてしまいましたね」
夏海「まぁ仕方ないわよ、洗濯するから脱いで」
公人「き、気にしなくていいから。ホントに!」
この状況でシャツまで脱がされたら何されるか分からん。
空「濡れた服を着ていたら風邪をひきます。それ以前に私達のせいで汚してしまった服のままにするなんて事は出来ません」
夏海「う〜ん。無理矢理脱がしてもいいんだけど、シャツは絶対破れるわね」
なぜそういう事に関してだけ協調するんだ?
公人「いや、うら若き女性の前で脱ぐなんてハレンチな事はデキマセン」
夏海「無理矢理にでも脱がすしかないか〜」
空「そうですね。破れてしまったら明日にでも、私が代わりの服を用意してきます」
仕方ないと頷き合う二人。何か期待に満ちた瞳ってやつじゃないのか?
公人「はぁ…… じゃぁ洗濯頼むよ」
と、シャツを脱ごうとする腕を押さえる2本の手。
夏海「さぁ脱ぎましょうね〜」
空「お手を汚してしまいます。私に任せて下さい」
ピタっと動きを止め見詰め合う二人。そして頷き合う。津川は上から、陸海さんは下からボタンを外し始める。
アイコンタクト!?
空「では、洗濯しておきますね」
夏海「身体を拭いてあげるわ」
ピタっと動きを止め見詰め合う二人。
夏海「私が洗濯してあげ──」
空「私が身体を拭いて──」
公人「二人して行ってこい!」
残念そうにチラチラこちらを盗み見ながら部屋から出て行く二人。
はぁ…… 夕食の終わりが見えないよ。