二人のマニアックな会話で少し落ち着きを取り戻した俺は、最後の力を振り絞り
何とか二人を引き剥がす。
公人「暖めてくれるのは嬉しいし、気持ちい…… じゃなくて。そんな格好で抱きついたら胸が当たって──」
空「そういう事でしたか。申し訳ありませんでした」
夏海「そうね。ブラ外さないと直に感触を味わえないって言いたいようね」
公人「いや、お前らそれでいいのか?」
空「私はいつでも全てを公人さんに捧げる覚悟は出来ています」
夏海「私にここまでさせておいて今更何が言いたいの?」
突っ込みどころ満載だが敢えてスルー。深呼吸をして口を開いた。
公人「夕食がとっくに冷めてる」
あ…… と顔を見合す二人。手段のためなら目的は選ばないタイプだな。
公人「まぁこのポジションについては妥協しよう。正直俺も嬉しい事は確かだ」
左右を固められて座らせられている俺。問題は服を着ようとする気配のない二人だ。
正直な感想を言わなかった事が災いした教訓のもと、言葉を選んで説き伏せる事にした。
空「私も嬉しいです」
公人「つぅか、抱きつくなーーっ。せめて服を着てくれ」
隙あらば抱きついてくる陸海さんを何とか振りほどく。
夏海「まだまだ沢山あるんだから、ちゃんと味わって食べなさいよ」
公人「ってお前も食べさせるのに擦り寄ってくる必要ないだろ!」
胸を押し当てるようにしながら箸を差し出す津川を押し戻す。
変なところを触るわけにはいかないし、かなり気を使う。
理奈「ふむ、まるでハーレムね」
リビングの扉を開けて入ってきたのは二人の友人『高屋敷理奈』だった。