公人「流石に車一台を粗品ってのは、ありえないんじゃないですか?」
益田「ん〜、僕は構わないんだけど、普通はおかしいか〜。……じゃぁ二人にはバイト代で返済するって言っておけばいいんじゃない?」
なんで俺の周りには金銭感覚の麻痺した人しかいないんだ……
その後の話し合いでイエローボディを覆面ドライバー時に、シルバーボディを通常時に使用。粗品としてT−DAを貰ったが、バイト代で半額返済という話にしておく事になった。
喫茶店に戻って珈琲を飲みつつ暫しまったり過ごす。
嗚呼、平和哉。
しばらくすると二人が紙袋を抱えて戻ってくる。
夏海「やっぱりまだここにいたんだ〜」
空「只今戻りました」
益田「おかえり〜」
公人「また大量に買い込んできたなぁ」
空「えぇ。まずは公人さんを視覚面から誘惑する事に、活路を見出すことにしました」
公人「既に何度も視覚面からも誘惑されているんだが」
夏海「今夜が楽しみでしょ〜」
公人「聞いてないね、人の話」
益田「いつの間にか夏海ちゃんも公人君に対して素直になったね〜」
ピタっ、と身体を硬直させたかと思うと、顔を赤くして慌て始める。
夏海「な、なんて言うかぁ、このままじゃクーに負けるかな〜、と」
空「そうですね。リンが余計な事をしなければ、公人さんは今頃私だけを見つめてくれていたかも知れません」
相変わらずキッパリと言い切るクー。確かに夏海の告白がなければ、積極的なアピールで攻めてくるクーに一晩持たなかっただろう……
益田「あ〜、確かに状況を悪化させて楽しむところがあるね〜」
あはは〜と楽しげに言い放つマスター。
公人「いや、当事者としては笑い事じゃないんですが……」
空「しかし、夏海は絡め手に長けていますので状況としては悪くありません」
涼しげな微笑に背筋が凍りそうになった……