16-03

公人「はぁ…… 風呂入ろ」
 その台詞に超反応で答える二人。腕を引っ張られ無理矢理立ち上げさせられる。
空「私はいつでも準備万端です、ご主人様」
夏海「お身体を隅々まで洗って差し上げますわ、ご主人様」
公人「…………いや、一人で入れるから」
空「遠慮などなさらなくて結構です。その為のメイドですから」
公人「不思議と萌えメイドに囲まれて癒されないというか、疲労が増すというか……」

 沈黙。夏海は軽く俯くと妖しげな笑いを浮かべる。
夏海「ふふふ… 癒えぬなら墜としてしまおう萌えメイド」
 クーは夏海を伺い、軽く首を傾げてみせる。
空「ふむ… 癒えぬなら癒してみせよう萌えメイド?」
夏海「さ、お風呂の準備は整っております。参りましょう」
 引きずられるように脱衣所へ連れ去られた。

 二人に服を脱がされそうになり、自分で脱ぐからと頼み込んで何とか解放された。
 で、現在湯船に浸かっているわけだが、前回の事もあり不安は隠せない。
空「ご主人様、お待たせ致しました」
夏海「さ、こちらにお座り下さい」
 二人はメイド服のままで現れる。
 流石だ、ちゃんと理解している……

公人「断固として上半身のみでお願いします。これ、ご主人様め〜れ〜」
 命令と言えない不思議な関係。不満の声を上げつつも役割分担を相談しあう二人。
 今回はクーが右手を怪我している事もあり、前回と逆にするらしい。

空「ご主人様、手を差し出して頂けますか」
 そう言って腕から指に至るまで念入りに洗い出すクー。左手で洗うため、少したどたどしい動きだが丹念に洗ってくれている。
夏海「では背中から洗いますね〜、ご主人様〜」
 そう言うと豪快にお湯をかけてくる。一体どこに用意していたのかと思うほど大量に……



16-04

 頭から滴り落ちる水滴を払いながら、後ろを振り向き夏海を睨む。
夏海「あはは〜。かけすぎた?」
公人「見れば分かるだろ……」
空「夏海…… 暴れすぎです……」
 怒りを含んだクーの声。恐る恐る振り向くと、全身ずぶ濡れのクーがいた……
 バストを強調した萌えメイドタイプで、胸ぐりの大きく開いたラウンドネックブラウス。
 当然ブラウス越しにブラが透けていた。

公人「夏海と言う伏兵の存在を忘れていた……」
 絶対にありえないだろうと思っていたピンポイント攻撃に軽い眩暈を感じた。
空「大丈夫ですか、ご主人様!?」
 脱力した俺が倒れるのではないかと心配したクーが、その格好のままで抱き付いてくる。
公人「うわっ、大丈夫、大丈夫だから離れてっ!」
空「ですが、今にも倒れそうな感じでした。今ものぼせたように顔が上気しています」
 メイド服+ずぶ濡れ+上目遣い=瀕死確定。
夏海「…………」

 既に降伏寸前の俺の耳に盛大な水音が届く。目を向けると夏海もなぜかずぶ濡れだった。
夏海「手が滑っちゃった〜」
 てへっ、とでも言い出しそうな表情を浮かべつつ近づいてくる。
公人「貴様…… 謀ったな……」
夏海「そんな事はありませ〜ん。私は常にご主人様の喜ばれる姿を見たいだけです〜」
 そう言ってボディシャンプーを服にかけ泡立てる。
 先の展開が読めた俺は立ち上がろうとする。
公人「クー。頼む、放してくれ」
空「まだ洗い終わっていません。それにそんな状態で立ち上がったら危険です」
 色々と勘違いしているクーを離そうとしたが、時既に遅く耳元に囁く声。
夏海「準備できましたわ〜。ご しゅ じ ん さ ま」
 そう聞こえた瞬間。背中に擦り付けられる、ぬめる布越しに感じる柔らかな感触。
 頭の中で閃光が瞬いた。



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© ◆ForcepOuXA


2006-02-15作成 2006-02-16更新
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