壁に取り付けられた照明が灯り、肖像画を柔らかな光で照らし出す。
その場にいた全員が肖像画に向かい敬礼をする。
女性らしい柔らかな声が部屋全体に響く。
メティス「揃っているようですね。自己中大使、報告を」
その呼び名を使われる事が軽く不満げに華姫が口を開く。
華姫「はっ。計画通り指揮官、構成員の訓練を実施しております。総合戦略部は以上です」
メティス「大神官、其方は何かありますか?」
来栖「総合戦略部としては特にありません。各部門とも適正に活動しています。
先日ルール違反を犯したマイの処遇が未だ決定しておりませんので、特殊情報部を一時的に私の管理下に置きました」
メティス「……降天の声妓の件は不問に処す訳にはいきませんが、其方達の行動に免じて厳罰を与える事は取り止めましょう」
来栖「はい。情報部関連では第五支部が敵方第四支部と交戦中との報告があります。
また、敵方第八支部の動きにも注意が必要との事です」
来栖の報告に大広間が色めき立つ。
メティス「では各部署は対策を講じておきなさい。指女神博士、報告を」
リデル「はっ。現在、指揮官、構成員の装備充実度は…………」
三人は先程最高幹部会を開いていた部屋に戻ってきた。
華姫「メティス様も今回は処罰は軽くしそうね」
来栖「主神には考えがおありなのだろう。幹部が出動する場合には真っ先に投入される程度で済ませるのではないのか」
リデル「その程度でいいじゃない。一柱としては能力が足らないのだし、過剰な期待はするだけ無駄ね」
華姫「ん〜、このままではアルバイトの時間に遅れてしまいそうね。急ぎましょう」
リデル「お前達は緊張感がなさ過ぎる。バイトと組織、どっちが大事なのっ?」
来栖「言うまでもない。公人だ」